〜戦国武将エピソード集〜

浦兵部(=乃美宗勝)の評判が高いこと

 豊前(今の福岡県東部)門司城を包囲していた毛利元就がその囲みを解いて引き返した時、大友宗麟の侍大将、瀧田民部はただ一騎で波打ち際まで馳せてきた。

 そのため小早川隆景の家臣、浦兵部宗勝(=乃美宗勝)は船を戻して陸に上がり、瀧田を討ち取ったあと帰ってきた。

 (海上、船の上で)この様子を遠くからみていた人たちが「(岸まで戻り、敵を討ちとってきたのは)誰だろう」と言うと、毛利元就が「たった一人で陸に上がったのなら、間違いなく浦兵部宗勝のはずだ」と言ったのだが、果たしてその通りであった。

 (ともに小早川隆景の家臣である)井上伯耆(=井上春忠)と浦兵部。二人の勇名は世に高かった。

 ふたりとも、ちぎれた鎧兜を着ていた。また、いつもこれを使うといった愛用の武器もなく、浦兵部は瀧田を討った時も人の槍を取って(敵が待つ)陸に戻ったということだ。

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常山紀談、51