姉川の戦いでは、酒井左衛門尉忠次(ただつぐ)が先陣だった。
そして二陣は、榊原康政(やすまさ)だった。
酒井忠次をはじめ、小笠原与八郎、菅沼(すがぬま)新八郎、奥平(おくだいら)らが川を渡って、攻めかかろうとしたのだが、岸が高くて上がれなかった。
そこを榊原康政が真一文字に進んで、上がりにくい岸を「無二無三(=脇目もふらず、ひたすらなさま。しゃにむに)に押し上がれ」と「えい、とう、えい、とう」と言って押し上がった。
(二陣である榊原康政が)酒井忠次の先に進もうとするのを見て、酒井忠次の兵も「二陣に遅れては無念だ」と、榊原康政ら二陣と競い合って敵に攻めかかり、勝利を得た。
徳川家康は、「榊原康政の二陣の務め方はこれ以降の手本だ。二陣というのはこのようでありたいぞ」と言った。