小田原城を囲んだとき、※国清公(=池田輝政)は、搦め手(=城の裏門)の山の上から攻め入った。
眼下に敵を見下ろし鉄砲を撃ち込むのだが、城中から上に向けて撃つ鉄砲が激しく、兵が進みかねていた。
そんな中、国清公の家臣、南部越後は*銃口を空に向けて撃たせた。
銃弾は雨が降るように襲ったので、城中の者がひるむところを見極めて、鉄砲を山の鼻(=山の尾根の突き出たところ。やまばな)に並べ、隙間なく撃たせて、攻め破ったのである。
※「国清公」――池田輝政の戒名が国清院殿であることから。
*直接は見えない山越しの目標を撃っているのだろうか? というのも敵が直接見えているのに、上に向けて撃つのは、まったく無意味なので。(銃を上に向けて撃った弾は、空気抵抗により、地面に落ちてくる時にはかなり威力が弱まっている。火縄銃は知らないが、拳銃だと真上に撃てば、地面付近で殺傷能力がほとんどなくなる。)