太田下野(しもつけ=栃木県)守の人を見る目があったこと
太田資正(すけまさ)の身内に太田下野という者がいたが、人を見る能力に優れていた。
太田資正は太田下野の人物鑑定に間違いがないので、「どうしてそのように人の善し悪しが判断できるのか」と訊ねた。
太田下野は「特に理由はありません。たとえば連歌をする者が古い歌を覚えているのは、自分の連歌に役立てようとするためです。武士で手柄を立て名を挙げようとする者もまたそれと同じです。その人の芸事などに関する心得や好みから推察しますと、十中八九は外れないものです」と答えた。